蒸し器から米を出し、次は米を30度程度まで冷やす作業へ。
ここからの作業は、橘倉酒造の杜氏の一人、井上嘉正杜氏に指導を受ける。
平たい木の上に米を広げ、まとめては広げ、まとめては広げ、温度を下げていく。
適切な温度まで下がった米は、酒母タンクに移される。
櫂棒を使い、固まりを崩す様にタンク内を混ぜていく。「もと摺り」という作業だ。
米が水分を吸うほど、櫂棒は重たくなる。思ったより力仕事だ。
ある程度混ぜた後の作業は、井上杜氏に引き継ぎ、午前中の作業はここまでとなった。
蔵人ステイへ戻り、井出平社長からのテイスティングセミナーを受ける。
利き酒師資格で学んだテイスティングの仕方が具体例と共に示され、改めて自分の勉学を振り返ることができた。
昼休憩を挟み、午後からの作業が始まる。洗米作業と浸漬作業・選別作業だ。
適当に洗うのではない。ストップウォッチを使って1秒単位で決められた時間、米を洗う。
洗う時間は90秒、米全体を回すように手を入れていく。
手前に米が固まりすぎないように、ザルを回しながら米全体を回していく。
90秒後、水から上げ、清水をバケツ4杯分かけて洗米の作業は終わった。
その後、浸漬の作業は約15分。水を切るように斜めにザルをかけておく。
浸漬した米としていない米を比べると、米の色、大きさが全く違う。
2日目最後の作業として、甘酒に使用する麹米の選別作業を行った。
白い布を引いたテーブルの上に麹米を広げ、大きな塊、不純物がないかを確かめる。
気が遠くなるような作業だが、消費者においしく安全なものを届けるため、全神経を集中して行った。
2日目の蔵内での作業はここまでだ。
2日目の夕食、臼田の名物「むしり鳥」を蔵人ステイから歩いて10分の鳥忠食堂にて食べた。
カリっと揚がった皮とブラックペッパーのスパイシーさが癖になる絶品だった。 (3日目へ続く)