朝6時 空が明るくなると同時に目が覚める。窓を開けるとひんやりとした冷たい風が顔をなぞる。
7時 朝食 地元の食材をふんだんに使った朝食を食べて腹ごしらえ。
8時 ラジオ体操。身体を温めたのち、新海神社の宮司さんによるお祓いを受ける。
仕込み蔵の正面に酒神である松尾大明神の祭壇を立て、良酒醸造を祈願した。
蔵に入り、白長靴に履き替え、手を洗浄、消毒をする。
朝一番の作業は、「蒸し」だ。
浸漬を済ませた米を、こぼさぬように、蒸し器の中へ移す。
トンボで米を均(なら)すのは、蒸気が平均して回るようにするためだ。
上蓋をし、ボイラーのホースを繋ぐと、上蓋が大きく膨らむ。
この状態で、約1時間。シューと音を立てる蒸し器からは米の甘い香りがする。
米を蒸している間に、井出平社長の案内で、橘倉酒造の酒蔵見学へ進む。
1階には洗米所、蒸し場、麹室、搾り機。急な階段を上がった2階は酒母室。階段を下ったところに仕込みタンクが
ある。
酒母室にあるこのアンカーは、酒母の温度が下がり過ぎた時に使うんだそう。
酒母が死なないように、じんわりと温める、毛布でも足りない時に使うと説明を受けた。
(次回に続く)