令和4年3月23日、今日は3月にしては肌寒く感じる。
ぼくは岐阜県各務原市蘇原にある自然音楽の響く酒蔵「小町酒造」にての「袋吊り体験」に参加した。
毎年恒例となっているこの行事。今回の参加人数は8名だ。
消毒をして蔵に入ると、まずバナナのような甘い香りが身体を包む。
「あ、バナナ香りがする」
ぼそっと呟いた言葉に、「G酵母らしい香りでしょ?」と言われ、「なるほど、これがG酵母の香りか」と
納得をする。
蔵内の様子を見るに、今日搾る酒は既に仕込みが終わっている様子。
今日は特別に「袋吊り」を体験させていただく。
袋吊りとは、醪を袋に入れ、圧力を一切かけず、雫を落とす方法。
これにより雑味がなく、澄み切ったお酒になると言われているのだ。
手順としては、①タンクから醪を掬う ②布で出来た酒袋へ移す ③袋の上部を紐で括る ④棒に吊るす
作業自体は単純なこと。醪の香りを堪能しつつ、丁寧に作業を進める。
袋に入るどっしりとした醪の重さは、搾りたての生原酒完成への期待感をより一層膨らませる。
作業と同時に、金武社長からG2酵母についての説明があった。
「現在のG2酵母は、G酵母と比べて発酵力が高い、華やかな香りが高く、辛口の酒が造れる」
なるほど。同じG2酵母使用のお酒でも、蔵元の造り方次第で味わいに幅があるのは実に興味深い。
作業を一通り終え、記念撮影を1枚。
お酒が落ち着くのに、もう少し時間がかかるそうだ。出荷はそれからになるらしい。
昨年搾ったお酒は厚みのあるボディのキレのいい辛口だった。果たして今年はどんな味に仕上がるのだろうか。
(高旭)